惹かれる「色」は、あなたの無意識のサイン
香水を選ぶとき、ふと特定の「ボトルの色」にばかり目が行くことはありませんか?
ブランドの物語や香料の構成から香水を探求するのは、愛好家にとって至福の時間です。しかし、実は私たちが無意識に惹かれる「色彩」には、現在の心理状態や、奥底に秘められた「本質的な美意識」が色濃く反映されています。
調香師やクリエイターは、香りのコンセプトを視覚化するためにボトルデザインに並々ならぬ情熱を注ぎます。つまり、ボトルの色は単なるパッケージではなく、「香りのエネルギー」そのものなのです。
今回は、数ある色彩の中でも最も鮮烈な「RED(赤)」のボトルに惹かれる時の、あなたの深層心理と香りの関係について深く紐解いていきましょう。
「RED」がもたらす深層心理とエネルギー
色彩心理学において「赤」は、自信を与え、現実を力強く生き抜くパワー(生命力)の象徴とされています。
挫折や困難が立ち塞がっても、自分の力で強靭に乗り越えようとする前向きなエネルギーをもたらす色。それは例えるなら、プレッシャーのかかる重要な場面で、あなたに揺るぎない自信を与え、凛とした「主役」として毅然と振る舞うための、背中を強く押してくれるような存在です。
だからこそ、赤いボトルの香水には、スパイシーで情熱的なノートや、ドラマティックで官能的な香調が多く見られます。
しかし、一言で「赤が好き」「最近なぜか赤い香水ばかり気になってしまう」と言っても、深層心理を紐解くと、そこには【2つの全く異なる素顔】が存在します。 あなたは今、どちらの状態に当てはまるでしょうか?
① 生まれながらのパワフルな表現者(自然に赤を好むタイプ)
一つ目は、ご自身の本質がすでに「赤」のエネルギーを持っているタイプです。
【深層心理の特徴】 いつも明るく活発で、何事に対してもストレート。思い立ったらすぐに実行に移す、圧倒的な行動力を持っています。負けん気が強く、自分が信じた道をエネルギッシュに切り拓いていくため、リーダーとして自然と周囲を牽引していく存在です。
【スタイリングの視点】 この状態の時は、あなたの前向きなエネルギーが最高潮に達しています。香水を選ぶなら、その情熱をストレートに美しく表現してくれる、ピリッとしたブラックペッパーやジンジャーの香りが、あなたの行動力と魅力をさらに引き立ててくれます。 ただし、少しエネルギーが過剰になり、周りが見えずに前へ前へと「強引」になってしまっていると感じる時は要注意です。そんな時は、同じ赤の香りでも、華やかさと大人の落ち着きを併せ持つ「穏やかなローズ」を中心に据えた香りが、あなたの情熱を美しく調和させてくれます。
② 密かに孤軍奮闘する知恵者(赤の力を借りたいタイプ)
二つ目は、今の環境の中で、無意識に「赤の力」を外部から取り入れようとしているタイプです。実は、赤い香水に突然惹かれ始めた大人の多くが、こちらの状態に当てはまります。
【深層心理の特徴】 あなたは今、無意識のうちに「強いリーダーであらねば」「もっとパワフルにならなければ」と、赤になろうと頑張りすぎているのかもしれません。 本来のあなたは、表立って行動するよりも、じっくりと企画や戦略を立てる知的なポジション(知恵者)に向いているタイプです。しかし、今の環境で自分にない行動力やパワーを求めて無理をし、人付き合いに少し疲れ、孤独を感じているサインでもあります。
【スタイリングの視点】 自分を高く、強く見せようと気を張る必要はありません。あなたはもう少し、ありのままの「素の自分」を出しても大丈夫なのです。 このタイプの方には、攻撃的で鋭い赤ではなく、温かみのあるアンバーや、深く甘いオリエンタル系をおすすめします。スパイスを選ぶ際も、刺激の強いものではなく「シナモン」や「サフラン」のような、人肌の温もりと甘さを感じさせる香りが、無理のない自信と心に余裕を与えてくれる美しいお守りとなります。
香水選びを、もっと自由で知的な遊びへ
あなたが今惹かれている色は、生まれ持ったエネルギーの証でしたか? それとも、明日を心地よく生きるために密かに纏いたい、美しい鎧だったでしょうか。
色彩心理から香りの世界を紐解くこの連載は、「あなたにはこれしか似合わない」という正解を押し付けるものではありません。 世の中に無数に溢れる香水の中から、あなた自身の魂が本当に喜ぶ1本を選ぶための「知的な羅針盤」として、香り選びをもっと自由に楽しんでいただきたい。そんな想いで、香りの翻訳家としてこの記事を執筆しています。
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香調やブランド名といった「知識」を一旦横に置き、ただ視覚の赴くままに色のグラデーションから香水を探してみる。これもまた、大人の知的な香りの愉しみ方の一つです。 昔愛用していた懐かしい香水の記憶が蘇るかもしれませんし、今のあなたの本質にぴったりと寄り添う「思わぬ名香」との運命的な出会いが待っているかもしれません。

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